設 立 趣 意 書
1 趣 旨
【 設立の背景 】
世界的な大量生産、大量消費、大量廃棄に支えられた成長経済、ファーストフードチェーンに代表される食のグローバル化、化石燃料や原子力に大きく依存したエネルギー供給や6割を輸入に頼る国内の食糧供給に対する不安、急速に衰退しつつある地域の農林水産業、人間関係から地球環境までのさまざまなひずみ、こうした20世紀後半の科学技術・科学知の異常な発達に導かれた生産と生活のあり方に対する反省は、90年代のバブル経済の崩壊によって今やさまざまな面で広がってきています。
食のあり方にとって大事な味覚の退化に対する危機感、心のゆとりを犠牲にしてきた生活への反省、地域の農業、伝統文化、自然環境を守り育てる必要、を感じている人々は増えつつあります。ファーストフードなどを単に否定するのではなく、顔の見える関係の中から、地域の食材や自然素材をもっと生かそうという人たちも少数派ではなくなりつつあります。これらは、太陽、水、土、農、食、環境といった私たち生命にとってより根源的なものへの目覚めでもあります。しかし、こうした新しい動きを真に私たちのものにしていくには組織的な運動体が必要です。私たちは将来世代のためにもこうした動きを一層進めていく使命を負っていると考えます。
【 私たちの目指すもの 】
こうした多様なあり方、過程や取り組みの姿勢を大事にするあり方は、もう一つの生き方(オールタナティブライフ)につながっていくといえましょう。つつましやかでしなやかな生き方、生きるための仕事、生活のための技術、歴史と伝統と風土に育まれた食生活を始めとした生活の知恵、人と自然との厳しくもやさしい関係、人と人との育ち合う関係、人間もまた生物であることを自覚し、心と体の統一性を大事にできる身体性の重視、自己否定や自己憎悪をしなくてよい自然体の回復、こうした事柄は生態系と調和し、持続可能な(永続性)ものの意味を含む「スローな生き方」という方向性の先にしか生まれないのではないでしょうか。
この生命を育む食のあり方を基本としたスローライフの方向は、単なる理念や、はやり言葉に名を借りた新しい儲け口などというのでは長続きしません。人々が長い間に積み上げてきた身土不二や自然と共に生きる知恵に学びながら、便利さや惰性に流されがちな私たちの弱い部分を克服し、夢や新しいあり方に向かって協働していくことが求められます。その点では世直し運動であり、改革運動であるといえるのかもしれません。
このような新しい事柄に取り組もうとする人たちは、確かにより多くの仕事を抱え、忙しくしていることも事実です。そこで私たちが世の熱狂的な改革者にありがちな性急さ、過労、不寛容、あせり、いらだち、渋面などをしていたらそれは自己矛盾です。生物のしなやかさ、現場のたくましさ、多様性の強靱さに学びながら、グローバル化に振り回されるのではなく、生きていく糧や生きざまを私たちの側に取り戻していくことが必要です。それは過去を素直に見つめ、将来に希望を持ち、現在を楽しみながら「充実した今を共に生きる」中で達成されていくものと思います。
私たちは、この運動を組織的に進め新しい生き方を定着させていくために、地域の観光資源ともなりうる食を中心とした地域の文化を調査研究し、食農教育、環境教育を進め、地域にある資源を地域の中で安全に循環させる仕組みを提案、実行していくことを中心的事業内容とした、特定非営利活動法人三重スローライフ協会を設立します。
2 申請に至るまでの経過
平成 2年11月 三重県村づくり加工事業連絡協議会(通称うまいもん探検隊)を結成
平成 4年 9月 「伊勢の国村人づくり」統一ブランド化をし、県内の農産加工品の販売を開始
平成 6年 夏 「まつり博・三重‘94」に出展参加
平成14年 4月 三重県村づくり加工事業連絡協議会解散
三重県村づくり産品ブランド推進協議会発足
平成15年 1月 「遺伝子組み換え問題に関する講演会」主催
3月 「三重まるみえ地産地食交流会」主催
日本のスローフードの第一人者、島村菜津氏を講師に迎えた
4月 以降、毎月1回以上の設立準備会議を開く
平成16年1月11日
特定非営利活動法人 三重スローライフ協会
設立代表者
住所 三重県津市高野尾町3351番地の86
氏名 大原興太郎