| 農学(作物の特徴と栽培) |
| 野菜の学習会で用いた資料から抜粋して掲載しています。 |
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| 秋冬野菜 |
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1旬の野菜
(1)野菜が危ない
・科学技術の進歩の下で、全国一律なインスタント(生育の早い)品種が普及し、旬をなくした
ハウス周年栽培と自然と無関係な野菜工場が発達した。
土(自然)を頼りにしない多肥多農薬農業と工業化された農業生産多くの野菜で栄養価が
低下し、安全性への疑いが高まってきた。
1963年の食品成分表と1980年の食品成分表(四訂版)
ビタミンC含有量が減少した野菜一23品目中13品目
カロチン含有量が減少した野菜一18品目中12品目
・特に、ホウレンソウの標準値は100g中ビタミンCは65mg、鉄3.7mg、 カルシウム55mgである。
夏のホウレンソウはビタミンC7~18mg、鉄0.7mg、カルシウム39mgと著しく 低くなっている。
・旬を忘れ、自然から独立した農業は、人間の健康を支え、促進する成分やガン抑制効果を
示す栄養素など、野菜の善玉(ビタミン、ミネラルなど)を減らし、望ましくない悪玉(硝酸態窒素、
シュウ酸など)を増やしている。
・都市の人たちの旬を無視し破壊する消費行動と、それに迎合し金儲けだけに狂奔した農家の
生産行動の結果、命を育み、生命と健康を守るべき農業、農産物が・人び との期待を裏切り
かねない状況にある。
(2)人を早死にさせる野菜
・野菜の中には善玉(ビタミン、ミネラル)と悪玉(硝酸態窒素、シュウ酸)が含まれている。
・硝酸態窒素は口の中で噛んでいるうちにアミノ酸と結びついて、ニトロソアニンという発ガン物質
を生成する。
・アク抜きと称して茹でることは、水に溶けやすい硝酸態窒素やシュウ酸を除くのに友好な手段である。
レンジで調理したホウレンソウのお浸しは、硝酸態窒素がなくならない。
・旬を無視し、無理無茶を承知で野菜を作る(多肥多農薬農業)。野菜の善玉はどんどん減少する。
・早死にさせる料理法
月曜日 ホウレンソウのレンジ仕立てのお浸し、サラダ粟を添えたハンバーグ
火曜日 春菊とパセリのてんぷら、キスや白魚のてんぷら
水曜日 チンゲンサイと豚肉の炒め物、メロンの瓜子漬
木曜日 ビールのつまみにニンジンとセロリのスティック、ニンジンジュース、肉をそえる。
金曜日 すき焼きで春菊をたっぷり使い、煮詰まった汁にうどんを加える。
土曜日 ファミリーレストランで焼肉、キャベツ、ホウレンソウとゴボウのサラダ
・コマツナやホウレンソウなどの葉菜は、茎の方が葉より硝酸態窒素の含有量が数倍多い。
.ニンジンは芯の方が硝酸態濃度が高い。
(3)野菜の旬
・旬は自然との共生を前提にした日本独自の食文化である。
・旬=春夏秋冬の季節に合わせ、自然が提供してくれる食材を食べ、暮らしていく生き方
①春
・春先の旬の野菜・食材として芽もの(アスパラガス、ウド、フキ、ゼンマイ、ワラビ、タラの芽)、
花もの(ナバナ、ブロッコリー、カリフラワー)を食べる。
・良質のタンパク質、ミネラル、ビタミンが含まれ、冬の間眠っていた細胞を起こし活気付けてくれる。
・共通的に含まれている苦味成分(アルカロイド)は人間の眠っている細胞を活性化し、
新陳代謝を促進し、春情をもたらす。
・花ものは良質のタンパク質、多種多様なビタミン、ミネラルとそのバランスの良さによって
春のストレス解消、疲労回復に役立つ。
②夏
・夏になると成りもの(ブラリ野菜)の果菜類、スイカ、トマト、キュウリ、ナスが旬である。
・果菜類はミネラルの1種カリウムを多く含むので、心臓強化作用のほかにナトリウムの排泄を
促進する作用が重なって、心臓を守り、高血圧を防ぎ、身体のむくみをとる。
・ビタミンA.Cも含まれ、停滞しがちな新陳代謝を促進し、夏ばて防止に役立つ。
③秋・冬
・自然が色づく秋には色鮮やかな緑黄色野菜や巻き物(結球野菜)を食べる。
・秋から冬の野菜は、根や葉柄、葉茎に冬ごもりの養分を蓄積して肥大し、越冬体制を整えている。
・冬には根ものや冬の青菜を食べる。
・人間のバイオリズムにあった野菜の食べ方が大切である。食が文化であることを忘れてはならない。
(4)野菜との付き合い方
・野菜は、その特性、保存法から見て、立ち型野菜、土付き野菜、ブラリ野菜に分けることができる。
①立ち型野菜
・葉菜:ホウレンソウ、コマツナ、キョウナ、チンゲンサイ、シュンギク、パセリ、セロリ、ハクサイ、
レタス、キャベツなど
・花(芽)野菜:ナバナ、カリフラワー、ブロッコリーなど
・茎菜:アスパラガス、ウド、タケノコなど
・茎葉菜:ネギ、アサツキ、ユリネなピ
・果菜類の一部:スイートコーン
・立ち型野菜は、背地性をもっているので、寝かせておくと立ち上がろうとしてエネルギーを消耗する。
・消耗されるエネルギーは美味しさの主成分である糖分とアミノ酸である。
・ホウレンソウを冷蔵庫で寝かせて置くか立てて置くかで美味しさの主成分のグルタミン酸やグルタミン
が2日で35倍も変わる(寝かせて置いたホウレンソウはただのゴミ)。
・スイートコーンは、1晩寝かせて置くと、立てて置いたものに比べ糖分が30%も低下する。
・アスパラガスは1晩寝かせておくと糖分が15%減少する。
・タマネギやユリネは葉の部分がないので上下感覚がない。
・立ち型野菜の可食部は植物体としては未熟状態が原型で、命を食べていることになる。
葉菜類のホウレンソウなど:未熟な若い葉を食べる。
レタスなど:8分結球のみ熟菜ものが味の面からも栄養価の面からも優れている。
スイートコーン:未熟な種子を食べる。
タマネギやキャベツ:本来2年生草で、翌年に花が咲き、種子ができる。
・一般的には寒さに強く、冷蔵庫で冷やして食べると歯ざわり、舌ざわりがよく美味しくなる。
・立ち型野菜は、土の栄養状態がストレートに反映するので、多肥状態下では体内の硝酸態窒素が
高まっている。茎は葉の数倍になっている。
②土付き野菜
・可食部が地下部に存在する根菜類(ダイコン、ニンジン、ゴボウ、サツマイモ、ジャガイモなど)などの
土によって支えられている野菜は上下感覚が鈍い。
・土の中に埋けておくと長期間保存が効くが、洗ってしまうと持ちが悪くなる。土付き野菜の土は、
上着の役目をしている。
・店頭を飾っている綺麗な野菜は、
・土付き野菜を保存する時は、土を付けたまま新聞などでくるんで、野菜ボックスや室(むろ)などに
入れる。
③ブラリ野菜
・茎葉あるいは宙にぶら下がった果実を食べる果菜類(トマト、キュウリ、ナス、エダマメ、インゲンなど)
や果実的野菜(イチゴ、メロン、スイカなど)は、上下感覚を持たない。立てても寝かせても
どちらでも良い。
・この仲間は熱帯生まれのものが多く、一般的に冷蔵庫との仲が悪い。ナスは2~3日で果皮の
色艶をなくし、4日経つと茶色い窪み(ピッチング)ができて腐り始める。冷蔵庫はブラリ野菜の墓場
④冷蔵庫での保存
・冷蔵保存は、野菜の呼吸量を最低限に抑える保存法である。冷蔵庫の温度は5~10℃である。
どの野菜にも適するとは限らない。
・ショウガは寒さが苦手で、2日もすると水浸状に変質し、色も香りも悪くなる。
・冷蔵保存に向かない野菜(例えば、バナナ、キュウリ、ナス、ピーマンなど)は、 段ボールに入れ、
冷暗所に置くとよい。
・冷歳庫に入れた方がよい野菜、キャベツ、レタスなどは、冷やした方がパリパリして歯ざわりがよくなる。
・ ・揚げ物にするジャガイモは、室温のままがよい。糖度が高いと焦げやすく、揚げたときに色が悪くなる。
2 ハクサイ
(1)来歴と性格
.ハクサイは中国北部で分化・発達した。
・ハクサイは、他のアブラナ科と交雑しやすいので優良品種の形質を維持できない。
昭和初期まで、種子は輸入に頼っていた。
・発芽適温は18~22℃で、4~35℃の範囲で発芽可能で、好光性種子である。
・播種後、3日以内で発芽し、発芽後20日程で本葉が6~7枚になる。
・発芽後、40日たつと本葉が20枚展開し、結球が始まる。茎立ちがないので、葉序(2/5)の葉組みが
中心部を圧迫し、芯葉が立ち上がり、内葉が巻き込まれる。
・芯葉が抱きこまれたままで、どうにも止まらない圧迫状態を結球の「しまり」という。
・冷涼な気候を好み、生育適温は18~21℃、結球期は15~16℃がよい。
・播種期が遅れると、生育速度が遅くなり、結球がうまくいかなくなる。
・耐寒性は強い(凍害を受けるのは-8℃以下)が耐暑性は弱く、特に結球期に21℃以上になると
生育は衰え、病害が発生しやすくなる。
(2)栽培
①播種(8/20~30)
・根群はよく発達するが、再生カは弱く、一方で茎葉の表面積は大きく軟弱で蒸散量が多いため、
移植に弱い。
・2週間前には畑の準備を終了しておく。完熟堆肥、化成肥料、苦土石灰、石灰窒素
・株間は極早生・早生種で30~35cm、中生種で35~45cm、晩生種で45~55cmにする
(畝幅は55~75cm)。
・一カ所当たり5~10粒程度を播種し、覆土は3~5cmの厚さにして軽く鎮圧する。
好光性種子なので、覆土はなるべく薄めがよい。
・覆土後のかん水で、土が固まると初期生育が遅れるので、かん水は覆土が種子に密着する
程度にとどめる。
・間引きは2~3回行い、均一性を優先して生育中庸な苗を残す。間引きが遅れると断根などの
害が出るので、本葉6枚展開時(発芽後3週間)までとする。
②移植栽培(播種8/10~20、定植9/5~10)
・播種時は地温20℃以上にして発芽を促進し、以後は17℃程度に維持する。
・展開葉6~10枚の育苗を行う。
③施肥
・生育に必要な養水分の量が多い割りに吸肥カが弱いので、多肥を好む。
・生育にはチッソの効果が大きいが、多すぎると球重は増加しても根が発達せず、カルシウム欠乏症
軟腐病、ゴマ症が増大する。
・早生種では葉数15枚展開後に結球体制に入るので、これに備えて本葉7枚期前後に1回目の追肥
を行う(元肥6:追肥4の割合)。
・移植のこの時期は、定植後の日が浅いので追肥はいらない。
④間引き
・発芽から本葉1~2枚まではある程度密生していたほうが生育は順調に進む。
・一カ所に5~10粒まいているので、生長に従って2~3回間引いて残す株を定める。
・本葉6枚目までに間引きを完了させる。
⑤中耕
・追肥のとき除草を兼ねて中耕を行う。
・中耕が遅れると、根を切って生育を遅らせることになるので、早めに行う。
⑥収穫
・結球の進んだものから収穫する。
・降雨直後に収穫すると、輸送中や貯蔵中に病害が発生しやすい。雨の日は避ける。
・ハクサイは横にして置くと重みで下になった外葉から腐りやすくなるので、箱などに縦詰めにしておく。
・晩採り栽培や越冬栽培では、結球がほぼ完了したところで外葉を包み、打ちわらで結束し、
霜害を防ぐ。
⑦病害虫・生理障害
・軟腐病:湿った傷ロから発病し、特有の悪臭を発生する。高温多湿時。カルシウム不足。
・根こぶ病:酸性多湿の土壌。
・害虫:コナガ、ヨトウ
・カルシウム欠乏症(縁腐れ、心腐れ):組織の成長速度が、組織へのカルシウム供給速度を上回れば
発生する。高温多湿、過湿、過乾、多チッソ。石灰の施用、適正な施肥量、安定した土壌水分。
(3)利用
・約96%が水分なので栄養分は高くなく、カロリーも少ない(12kcal)が、ビタミンCはミカンと同じくらい
多い。手身近なダイエツト食品
・ビタミンCの含有量は外の葉ほど高く内の葉ほど減少するが、芯の部分で再度高まる。
・ハクサイで一番おいしいのは外から10~20枚日の大きい葉である。
・ハクサイは煮ると芯までやわらかくなり、消化がよく、胃の弱い人や病人の食事に利用できる。
・カリウムを含んでいるので、血圧が気になる人は食べるようにするとよい。→カリウムは煮ると汁に
溶けだすので、ハクサイを加熱したときはスープごと利用する。
3 ダイコン
(1)性格
・主に根を食用にする野菜で、栽培面積、生産量とも日本一である。
・アブラナ科の2年生草本である。カブやハクサイの莢は裂けるがダイコンの実は裂けない。
カブやハクサイの花は黄色であるがダイコンの花は白色である。
・発芽適温は24~28℃(15~35℃の範囲なら発芽する)で生育適温は17~20℃である。
・根の肥大適温は17~20℃である。25℃を超えると根の肥大が困難になり、軟腐病や生理障害が
多発する。
・生育前期の地温が25℃より低いと根長が短くなり、生育後期の地温が22℃より高いと
根の肥大が衰える。
・10~16℃でしり詰まりが最良となり、夜温が低いと側根が太くなる。
・耕土が軽すぎると光沢が悪くなりす入りが早くなる。
・粘質土では肌が荒れてひげ根も多いが、老化が遅く緻密ですが入りにくい。越冬栽培や暖地の
貯蔵用栽培に適する。
・連作障害(いや地現象)がないので、適切な土壌管理で連作可能である。
・すが入りやすい場合:生育の早い品種や作型、生育が初期に遅く後期に早まる場合、
可溶性固形物の含量の少ない場合
・裂根:表面の傷害や木化、急激な肥大、乾燥の後の多湿
・曲根:日当たりや土壌環境の不均衡
・岐根:虫害、湿害、未熟堆肥との接触などで根端が損なわれた場合。
・ひげ根(側根)の肥大:低温多湿
(2)栽培(秋まき秋冬どり栽培)
①栽培のおさえどころ
・播種適期の幅が狭い。:9月1日~10日
・早まきするとキスジノミハムシやウイルス病の被害が大きく、晩まきすると生育の遅れによる
肥大不足や不時抽台(種が一定期間低温に遭遇する)の危険がある。
・根が濃い肥料や未分解の有機物と接すると、岐根、裂根、しみなどの肥料やけ症状が根部に現れる。
堆肥は半年前までに施す。
②準備
・この作型は最も栽培しやすい時期にあたる。
・高品質のダイコンを生産するためには、前作にネグサレセンチュウを増やさない作物を選択する。
・ネグサレセンチュウの密度を低下させる。マリーゴールド
・ネグサレセンチュウの密度上昇を抑える。サツマイモ、サトイモ、ラッカセイ、スイカ
・耕土に硬い土魂やレキ、未熟堆肥を混ぜると曲根や岐根になりやすい。
・耕土はしまっていると肥大を阻害し、肌が荒れる。
・排水のよい砂填土や火山灰土では平うね、耕土の浅い地帯や水田では高うねとする。
③播種
・点播:一カ所5粒、種子量が少なくてすみ、間引きの労力が軽減でき、生育も斉一になる。
・秋ダイコンの埴栽距離は、みの早生55×5cm、宮重65×25cm、理想65×30cm、三浦65×35cm、
大歳60×30cm、聖護院60×30cmである。
・覆土は1.5cmで軽く鎮圧する。
・ほ場が極端に乾燥しているときは、播種の前後に十分かん水する。
④管理
・発芽したら混み合っているところを順次間引いて徒長を防止する。
・間引きの後、株元に土寄せをし、幼苗の倒伏を防ぐ。
・間引きは、本葉5~6枚のころ一カ所1株になるようにする。
・間引きが終わったら1回目の追肥を行う。その後、中耕して土壌と肥料をよく混合する。
・さらにその後3~5週間後に2回目の追肥を行う。
・播種期が遅く、生育期間が長くなる作型ほど、元肥よりも追肥を重点にした施肥設計にする。
⑤収穫
・その品種の特性が最も発揮できる大きさに肥大したら早めに収穫する。
・収穫が遅れるとす入りが発生したり、大型になりすぎたりする。
(3)利用
・ダイコンには食物の消化を助け、胃のもたれを防ぐ働きがある(ジアスターゼ)。
餅を食べる特、焼き魚の焦げ、てんぷら
・ダイコンにはビタミンC,葉にはビタミンAが含まれている。
・胃腸障害、胃炎、胃酸過多、便秘:皮のついたままおろし、ゴマ油を2~3滴落としたものを常食とする。
・つわり、子宮けいれん:ダイコンおろしに少々の醤油をたらし、熱湯をさし、熱いうちに飲む。
子宮けいれんにはショウガを加える.
・百日咳:ダイコンおろしとナシのおろし同量に黒砂塘を少し加えて飲む.
・喘息の去痰、やけど、打撲傷:ダイコンおろしに熱湯を注いで辛みをとり、そのおろし汁に脱脂綿を
浸してのどに塗る。やけど、打撲傷にはダイコンおろしをつける。
・はしかの発疹:ダイコンのおろし汁1滴と砂糖少々を加え、4~5倍の熱湯を注いで飲む。
・酒の悪酔い、アルコール中毒:ダイコンのおろし汁をたくさん飲むと効く。
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